こんにちは!
キューブ系YouTuberのCHARTMAN(チャートマン)です.
突然ですが,皆さんは
「ルービックキューブを揃えられる人は天才だ」
と思っていませんか?
確かに,前提知識を持たない状態で自力で揃えることができる人は天才かもしれません.
しかし,テレビやYouTubeで見かける常人離れしたように見える人々の多くは,おそらく天才ではありません.
そう,簡単に揃えるためのコツがあるんです.
このシリーズでは,ルービックキューブを全く揃えたことがない初心者の方向けに,全3回に渡って3x3x3キューブの揃え方を紹介します.
今回はその第1弾,「前編」です.この記事を読むと,
- キューブの基本的な構造
- 回転記号と各面の動かし方
- 六面完成までの方針
について理解し,「完全一面」を完成させることができるようになります.
「前編」→「中編」→「後編」と読み進めれば,きっとあなたも全ての面を揃えられるようになるはずです.
六面完成をマスターして,知的な特技にしてみませんか?
※「中編」「後編」は現在執筆中です.お楽しみに.
【基本事項】
使用するキューブ
このシリーズでは,「世界基準配色」で色分けされたキューブを使用します.
世界基準配色のキューブは,
- 薄い色同士(白と黄)
- 冷たい色同士(青と緑)
- 暖かい色同士(赤と橙)
が対面に設定されていることがポイントです.
展開図は次のようになります.
この記事は,世界基準配色のキューブを手元に用意してから読み進めることをおすすめします.
キューブは一般的なおもちゃ屋さんで売られており,また,ネットで「立体パズル専門店」などと検索して購入することもできます.
イラストの見方
以降のイラストでは,注目すべきステッカーに色を付けます.
グレーになっているステッカーはその段階では無視しましょう.
キューブの表層を構成するパーツ
3x3x3キューブの表層には,3×3×3-1=26個のパーツが存在します.
それぞれのパーツは次の3種類に分類されます.
ステッカーの枚数が異なるパーツ同士は位置を交換することができません.
例えば,次の例を見てみましょう.
図の左のキューブの色がついているパーツには,黄色と青のステッカーが貼ってあります.
このパーツを図の右のキューブの位置に持ってこようとすると…赤色のステッカーが勝手に増えました!これは物理的にあり得ません.
このように,3種類のパーツは互いに区別して考える必要があります.
面の名称と回転記号
キューブの6つの面には,次の2通りの名前の付け方があります.
①はセンターの色を基準とした名前の付け方です.例えば,真ん中のパーツが黄色の面を「黄面」,真ん中のパーツが青の面を「青面」と呼びます.
一方②は,現在のキューブの持ち方に応じた面の名前の付け方です.例えば,上の面が「U面」,手前の面が「F面」と呼ばれます.
そして②の定義を利用すると,キューブの動かし方を記号を用いて表すことができます.
これが「回転記号」です.
例えば,「R」(Right, つまり右)と書いてあるときは,右の面を1回(90°)だけ時計回りに回転させます.
「R'」の場合は,右の面を反時計回りに1回動かします.「'」は逆回転を表す記号です.
そして「R2」なら,右の面を2回(180°)回転させます.
ここまで読んで「そんな記号なんて見せられてもすぐには理解できないよ!」と思った方.ご安心ください.
この記事では,記号と共に,回転させる面を矢印で表したイラストを載せておきます.
例えばこんな感じです.
紹介する解法
今回紹介するのは,キューブを「下段→中段→上段」の順で下から1層ずつ揃える「LBL法」という解法です.
(ちなみにLBLはLayer By Layerの略.)
ここからは,黄面をU面にして(つまり黄色のセンターを上にして)話を進めます.
これ以降は完成まで,黄色のセンターは常に上を向いた状態となります.
このルールを守らないと,途中で何をやっているのかわからなくなってしまう可能性が高いです.
「黄色のセンターはずっと上」
これが鉄則です.
さあ,ここまで読んだあなたは,キューブの基礎がバッチリ!
キューブをバラバラに崩し,黄色のセンターを上にして持ったら,次のステップに進みましょう.
【ステップ1】白エッジを上段に集める
このステップでは,黄色のセンターの周りに「白エッジ」を4つ集めます.
メモ
本記事以外の多くの解説書では,白エッジが上を向いていることが重要とされますが,この記事の方法では向きを無視して構いません.向きは関係なく,とにかく上段にあればOKです.
方法
上段の右側のエッジがある位置を「ターゲット」と呼ぶことにしましょう.
A. ターゲットに白エッジを持ってくる
B. まだ白エッジがないターゲットを用意する
という手続きをA→B→A→B...と最大4回繰り返せば,4つの白エッジを上段に集められそうですね.
これを実行する方法を次の画像にまとめました.
「操作」を利用し,①〜③のルールに従ってキューブを動かしてみてください.
ルール③で白をどかせなくなったら,このステップは完了.このとき,白エッジが全て上の段にあるはずです.
【ステップ2】クロスを作る
一面を完成させる準備として,まずはクロス,つまり十字を作ります.
エッジとコーナーが別のパーツであることに着目して,
まずはエッジだけ揃える
↓
次に4つの角にコーナーを入れる
とすることで,効率よく一面を作ることができるのです.
メモ
ここからはいよいよ「手順」というものが出てきます.
「手順」はキューブを効率よく揃えるために先人が発見し残してくれた遺産で,これを使わない手はありません.
この記事では,
1. 手数が少ない
2. 上級者向けの解法に移行した後も使える
3. 覚えるべき手順の数がなるべく少なくなる
という基準の下,7つの手順を選定しました.そのうちの1つが,今から紹介する「右落とし」です.
※「右落とし」など,手順の名称はこのシリーズ独自のものです.
手順
手順「右落とし」は,ターゲットにあるパーツを下段の手前に落とすことができる技.
ターゲットのエッジは
1. 白が上にある
2. 白が右にある
のいずれかの状態になりますが,2. の場合に使用します.
方法
下段に白のクロスを作る方法を次の画像にまとめました.
①〜③のルールに従ってキューブを動かしてみてください.
ポイントは「手順(右落とし)を使うパターンと使わないパターンを区別すること」です.
白が上を向いているときは手順を使う必要がなく,右の面を180°回転させるだけでOK.
上段に白エッジがなくなったら,このステップは完了です.
【ステップ3】完全一面を作る
1つの面が完成しているだけでなく,側面の色も揃っている状態のことを「完全一面」と呼びます.
このステップでは,前のステップで作ったクロスの周りの4つの角を埋めることで,完全一面を作ります.
メモ
「側面の色を揃える」ので,4つの白コーナーを残り2色の違いによって区別して考える必要がある点に注意しましょう.
手順
このステップでは,「左手順」「右手順」という2つの手順を使用します.
U面(上の面)を動かす際は,人差し指を使って銃の引金を引くように弾いて回します.
例えば左手順は
1手目: 左手の人差し指で上の面を回す
2手目: 左手で左の列を奥へ持ち上げる
3手目: 右手の人差し指で上の面を回す
4手目: 左手で左の列を手前に下げる
とします.
上段を人差し指で弾いて回すことを「トリガー」と呼びますが,「左手のトリガーで始まるのが左手順,右手のトリガーで始まるのが右手順」と認識すると覚えやすいですよ.
方法
完全一面を作る方法を次の画像にまとめました.
※③では例として右2色が異なる場合を記載していますが,左2色が異なる場合は左手順を実行してください.この方法でも白を上段に出すことができます.
①〜③のルールに従ってキューブを動かしてみましょう.
ポイントは,「下段にある白コーナーの位置や向きが違うとき,一度上段に出せば,①②のどちらかのルールに従って正しく入れ直すことができる」ということ.この理解が大切です.
白の面が完成し,かつ,側面の色が全て揃っていたらこのステップは完了です.
【前編のまとめ】
この記事では,3x3x3キューブの基礎を紹介し,完全一面を作るまでの3つのステップを解説しました.
中編,後編は近日公開予定です.お楽しみに.
以上,キューブ系YouTuberのCHARTMANでした.
また別の記事でお会いしましょう.さらば!
コメント(0)